¨被せ物¨はどれだけ持ちますか?を少し踏み込んで考える①ー序章ー
よく患者さんからされる質問があります。
「この被せ物はどれだけ持ちますか?」
「自費の被せものにしたらずっと使えますか?」
当然気になる点だと思いますが、これについて完璧に解答できる医師はいないと思います。
もちろん、明らかに無理なもの、すごく状態がいいものは別ですが、多くはその中間で、様々な原因や問題があり修復している場合がほとんどです。
もちろん、お手入れの状況も大きく関係しますが、お手入れ云々ではなく、個人の努力ではどうにもできない要素もあります。
今回は、すこしでもそういった要素を理解する手助けになればと思い記事にしました。
いきなり結論から
結論
もちろん自費の被せ物のほうが持つ可能性は状況により上がるが、自費の被せ物にして差が出る部分は全体の要素の一部。その他の要因のほうが大きく、結局はその人の口腔内環境、被せる歯や周りの組織の状況次第。
→歯の寿命そのもので考えたほうがいい。
その理由を少しずつ、ひも解いてみましょう。
まず、
『そんなこと言っても平均年数とかネットにでてますよね?』
という方がいるかもしれません。
が、その歯が平均通りにいくことはほとんどありません。
もちろん、平均を出した方は皆さんの役に立つように、データを集めて集計しているはずです。
しかし、平均には上もあれば下もあり、その事柄が複雑であればあるほど平均に当てはめて考えることが難しくなります。
平均はとても有用な面もありますが、「ばらつき」を見えにくくする側面もあります。
そして、この『被せ物はどれだけ持ちますか?』はまさに¨事柄が複雑でばらつきがある¨に該当します。
よくあるのが、¨被せ物自体¨がどれだけ持つかを議論しているケースです。
これも一要素ですが、そもそも歯自体がダメになったら被せ物がどうとかいう話ではありません。
言い換えると、被せ物がどれだけ持っても、歯を抜いたり、被せ物を外して治療しないといけない状況になれば、被せ物は口の中から撤去されることになります。
それではその状況を系統立てて見ていきましょう。
大きく考えることは4つ
- 歯を支える骨
- 歯の根
- 歯の土台
- 被せ物(詰物)
次回以降これら一つ一つの項目についてみていきましょう。
by 東京都府中市の歯医者 京王線府中駅徒歩5分 クルミ歯科