¨被せ物¨はどれだけ持ちますか?を少し踏み込んで考える⑤ー被せ物ー
- 被せ物
ここでようやく被せ物の話です。ここを議論するには前述の部分がクリアされている必要があります。
全部被せるタイプ
→クラウン
部分的に詰めるタイプ
→インレー
といいます。
名称はさておき
これらをまとめてのお話をします。
再治療になるときはどんなときかというと、
- 被せ物自体の破損
- 適合不良による不具合(二次的な虫歯、歯茎の炎症)
このどちらかが、ほとんどです。
それでは個別に見ていきましょう。
- 被せ物自体の破損
金属であればほとんどこの問題は生じません。
金属以外の材料ではどれも起こりうる問題です。
- ちゃんと厚みが確保できるか
- 食いしばりやはぎしりが強くないか
ほぼこの2点です。
厚みに関しては
- 神経が生きている歯であれば神経までの距離。
- 歯そのものの高さ。
- 噛む相手の歯の状態。
の影響をうけます。
神経が生きている歯は削りすぎると神経が露出するため、神経の処置をしなくてはならなくなります。そのため確保できる厚みに制約がでます。
また、噛む力が強い人(骨格的な要因が大きいのですが)そういった方は歯の高さがもともとあまりない傾向があります。そうするとやはり削り込むことができません。
また、歯が抜けて放置、もしくは大きな虫歯を放置して、噛む相手の歯が移動していると、厚みの確保が難しく、噛む相手側の処置が先に必要になる場合があります。
くいしばり、歯ぎしりに関しては、様々な方法が言われていますが、現在のメインな考えとしては、それ自体をなくすことは困難というか、ほぼ不可能なため、力がかかる前提で、それを受け止めるものを夜間に使用するという考えです。
マウスピースやナイトガードといわれるものです。
現在は白いものも強度が出てきているので、たいていのケースではどうにかなりますが、どうしようもないケース、もしくは入れてみないと何とも言えないケースもあります。
その点では金属に軍配があがります。
どうにかなるということを突き詰めると、ぎりぎりまで厚みを確保して、噛む相手の歯を調整して、さらに夜寝るときはマウスピースを入れてもらうという感じです。
ちなみに「厚み厚み」と話をしましたが、実は1ミリとか多くて2ミリとかそういったレベルの話です。それでも確保が難しいケースが存在するのです。
- 適合不良による不具合(二次的な虫歯、歯茎の炎症)
適合がよくないと、間に汚れ(細菌)が残り、虫歯や歯茎の炎症のリスクが高くなります。
もちろん材質による差異もありますが、私の個人的な感覚では、自由診療でしっかりした被せ物を入れる先生は、保険診療でも細かいところが気になってしまい、結果保険でも精度が高いものが入っています。
もちろん、そういった先生方が自由診療で十分な時間をとり、材料も精度が高いものを使い、技工士さんも時間をかけてしっかり作ることができればより精度が上がると思います。
逆にどんなにいい材料を使っても、基本的な部分で精度が低ければ、ちゃんと作った保険のものより精度が落ちます。
ここまでは、ドクター側の問題ですが、皆さんも協力できることがあります。
汚れがたくさん残っていて、歯茎の炎症が強いと、型どりの時に出血のコントロールが難しく、鮮明な型どりができません。
なので、普段からしっかりお口の中をお手入れして、おくと、被せ物や詰め物もきれいなものがはいります(笑)
by 東京都府中市の歯医者 京王線府中駅徒歩5分 クルミ歯科