news

超高齢化!介護が必要な時。お口からの健康は(・・? ー口腔内の細菌についてpart 2ー

ELL75_yousyohondana20120620_TP_V

 

口腔内細菌について、前回からの続きです。

 

最近では、口腔内細菌が血管を通って体全体を巡り、各臓器に侵入・繁殖し、さまざまな病気の原因になっていることがわかってきました。

例えば、動脈硬化、心筋梗塞、糖尿病、誤嚥性肺炎等も口腔内の細菌と大きく関係しています。

口のなかの清潔を保たなければ、全身的な健康を脅かすことになりかねません。

 

これらの予防に最も効果的なのが日頃からできる「口腔ケア」です。

簡単に言えば、適切な歯磨きや口腔内の粘膜、舌等のブラッシングや清拭、洗口です。

 

一口に歯磨きといっても、しっかりと磨けている人は実に少なく、多くの歯科医師や歯科衛生士が嘆いているほどです。

 

ましてや、介護を要する方は自分で歯ブラシをしようとしても手や体の自由が利かないため、いつも同じところしか磨けず、奥の方の歯や入れ歯には歯垢がべったりと付いていることが実に多いのです。

 

口腔ケアの基本は、健康な方なら「歯磨き」からですが、介護者の方に限っては、まずは定期的な「口腔健診」が最優先だと考えてください。

もっと簡単に言うと、『口の中にも意識を向ける』ことから始めてください。

そこから全てがスタートします。

 

訪問診療を行う歯科医師、歯科衛生士なら、その方の身体状況に合わせた適切な口腔ケアの方法を指導してくれるはずです!

 

 

By 東京都府中市の歯医者 京王線府中駅徒歩5分 クルミ歯科

超高齢化!介護が必要な時。お口からの健康は(・・? ー口腔内の細菌についてpart 1ー

ELL75_yousyohondana20120620_TP_V

 

それでは

3.口腔内の細菌について

日本人の死因は、悪性新生物(がん)、脳血管疾患、心疾患が上位3つを占めます。

 

しかし、要介護者の場合は違います。

 

1位は肺炎で全体の33%、2位は感染症の19%、3位は心不全です。介護を必要とされている方は、特に細菌性の割合が大きいことに注目してください。

 

高齢者の肺炎は、口のなかの細菌が唾液等に混ざり、誤って肺に入り込み発症する「誤嚥性肺炎」の割合が高いとされています。

なかでも気づかないうちに唾液や胃液等が肺に入る「不顕性誤嚥」によるものが多いようです。

 

誤嚥性肺炎を起こした人の多くは、本人も気づかないまま、寝ている間に誤嚥を起こしているのです。

 

 

人の口のなかは、通常、37度前後に保たれており、唾液によって潤っていています。

 

そこに食事の後の『食べかす』がとどまっています。このように、温度、湿度、栄養の3条件が揃っている口のなかは、細菌が繁殖するには最適な環境と言えます。

 

成人の口のなかには300種類の細菌が生息していて、歯に付着した歯垢1mgに1億個以上の細菌がいると言われています。

 

 

これらの細菌は、口腔内の清掃を怠ると爆発的に増殖し、さまざまな全身疾患を引き起こすことが明らかになっているのです。

 

 

By 東京都府中市の歯医者 京王線府中駅徒歩5分 クルミ歯科

 

 

超高齢化!介護が必要な時。お口からの健康は(・・? ー『かむ』とは脳への刺激 part2ー

ELL75_yousyohondana20120620_TP_V

 

それでは

2.咬むという行為自体が、体に様々な刺激を与えている

の続きです。

 

いま、噛むことでもっとも注目されているのが、こうした脳に対するはたらきかけです。

神奈川歯科大学の小野塚教授は実験によってそれを科学的に証明することを試みました。

 

結果はどうだったか?

 

結論をいえば、噛むことと脳との関係はきわめて深く、噛むことで脳の活性化がはかれる、ということがわかったのです。

  • 自分の意志で運動の指令を出す、運動野
  • 運動のプログラミングを行う、補足運動野
  • 体の各部から感覚情報を受け取る感覚野
  • 運動や間隔を中継する視床
  • 運動の学習記憶をつかさどる小脳
  • 口や顎からの運動をつかさどる島

以上の部分が活性化しています。

※ただし運動野と感覚野は適当に噛んだだけではあまり変化がなく、しっかり咬んだ時だけ大きく変化しました。

脳茂樹図

 

  • また、よく噛むことで脳の海馬の活性が増強すること確認できている。

特に高齢者の増強率が高く、記憶力テストで向上した。

 

  • さらに、前頭前野が活性化することも確認できている。

思考や行動、学習をつかさどる最も高度な神経活動を営む領域

この部位の機能が低下すると、適切な判断や行動ができなくなる。

しっかり咬むことが大切。(認知症予防にもGOOD)

 

補足 肥満の解消、生活習慣病の予防、ストレスの軽減etc

 

このように、ものすごーーーーく刺激が伝わってるんですね。

 

By 東京都府中市の歯医者 京王線府中駅徒歩5分 クルミ歯科

 

超高齢化!介護が必要な時。お口からの健康は(・・? ー『かむ』とは脳への刺激ー

ELL75_yousyohondana20120620_TP_V

 

続きましては

2.咬むという行為自体が、体に様々な刺激を与えている

について考えてみましょう!

 

よく噛むことで唾液がたくさん分泌され

→ なかに含まれる消化酵素が十分はたらいて

→ 体内での消化吸収がよくなる。

→ その結果、胃や腸の負担も軽くなり、栄養分も効率よく吸収されて、健康に大きく与ることになる。

この流れは受け入れやすいと思います。

 

しかし、よく噛むことによる健康効果はそれだけにとどまりません。

さまざまな分野の研究で、そのことがどんどん明らかになってきています。

 

食べものを噛むときにはいろいろな筋肉が使われます。

咬筋、側頭筋と呼ばれる筋肉がその主役ですが、ほかにも顔の表情筋、首や肩の筋肉などが使われています。

それらの筋肉をコントロールしているのは、いうまでもなく脳です。

つまり、噛んで筋肉を動かすことは、そのまま脳の神経を刺激すること、別の言い方をすれば、脳に情報を送ること、になるのです。

それが脳の活性化につながります。

 

また、わたしたちは食べものを味わって食べます。

その際、味覚で感じることはもちろん、歯ごたえや喉ごしといった触覚も刺激されます。

さらに、香りを楽しんだり、季節感や盛りつけの美しさに感動したりする。

このように、噛んで味わうという行為は五感が総動員される、といってもいいでしょう。

 

もちろん、よく噛めば噛むほど、五感から脳の神経細胞に送られる情報の量も増えることになります。

 

少し難しくなってきたので、続きは次回へ

次回は研究結果を踏まえて見ていきましょう。

 

 

By 東京都府中市の歯医者 京王線府中駅徒歩5分 クルミ歯科

 

 

超高齢化!介護が必要な時。お口からの健康は(・・? ー栄養摂取の入り口ー

ELL75_yousyohondana20120620_TP_V

 

では、どうして数ある臓器の中でも『お口』の健康が全身の健康にとって重要なのでしょう。

様々な効果が報告されていますが、

今回はポイントを3つに絞ってみました。

 

1.栄養摂取の入り口

2.咬むという行為自体が、体に様々な刺激を与えている

3.お口の細菌は、お口だけに留まっているわけではない。

 

それでは早速、1つめを考えてみましょう。

 

1.栄養摂取の入り口

当然ながら、バランスよくストレスなく必要な栄養が摂取できれば、

健康に大きく寄与することは明らかです。

なんとなくイメージはつくかと思いますが、

歯の残存数と栄養は明確な相関関係があることがわかっています。

 

お口に気になるところがあると、

食事に時間がかかり過ぎて食事自体が億劫になります。

お口の中が食べかすや、食べかすが硬くなった状態でおおわれていると、

ただでさえ低下している味覚がより感じにくくなります。

食事自体の楽しみも軽減している可能性があります。

お口の周囲の筋力の低下によりしっかり唇を閉じることができなければ、

飲み込みもうまくいきません。

上記は一例ですが、それらの要因で食事もストレスになってしまいます。

 

今では、様々な食事の工夫がなされているため、かなり栄養に関しては改善されましたが、

それでもやはり、

ご自身の歯でしっかり咬んで、

しっかり飲み込むことができればそれが最善であることは間違いありません。

 

今回は栄養面のみに触れましたが、快適に食事ができるということは様々な副次効果を生みます。

 

今回のシリーズは概略をお伝えしています。

飲み込みや、口腔ケアの細かい部分は、ここでは書ききれないので

またシリーズ化していきましょう!

 

次回は、2.咬むという行為自体が、体に様々な刺激を与えている

について触れていきましょう!

 

 

By 東京都府中市の歯医者 京王線府中駅徒歩5分 クルミ歯科