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フッ素って歯にいいの?③ー種類ー

南国 やし

 

前回はフッ素の安全性について数字を交えて考えました。

フッ素って歯にいいの?②

 

今回、次回で種類、使用方法やそのポイントについて書きます。

 

日本での現状にあわせて考えます。

なぜかというと

海外では飲料水

(日本では横田基地で条件付きで水道水にはいっているらしいです。)

学校水道、牛乳、塩などに意図的に入れてある所があります。

 

大きく分けて、次の4つ

 

①洗口法

 

うがいの液にフッ素がはいってます。毎日使うもの、週一回使うものなど。

飲料水にフッ素が入っている場合には、

洗口法は6歳以下には推奨されていません(WHOテクニカルレポート)
毎回の歯磨き時にフッ素入りの歯磨き剤を使用し、

かつフッ素ジェルを使っている場合には推奨されていません。

 

 

②歯面塗布法

 

歯医者さんで、指示に従い年数回塗ってもらってください。

お家のものより濃度が高いです。

 

 

③歯磨剤

 

これが基本。まずここから。

 

 

④フッ素ジェル

 

これもお家で使います。

歯磨きの後に塗るものです。

 

 

これだけ提示しましたが、導入としては歯磨剤

 

歯磨き粉です。

 

後は歯医者さんで時々歯面塗布が多いパターンでしょう。

 

さらに一歩進んで、正しい使い方でフッ素ジェルを使うともっと効果的です。

 

私は洗口法は様々な要因からご家庭ではあまり指示をしておりません。

 

次回もう少し細かく見ていきましょう。

 

 

By 東京都府中市の歯医者 京王線府中駅徒歩5分 クルミ歯科

 

 

 

フッ素って歯にいいの?②ー安全性ー

南国 やし

 

前回はフッ素の素晴らしい効果についてお話ししました。

 

なんだっけって人はこちら

フッ素って歯にいいの?① 

 

今回はフッ素の安全性について

 

 

まずは結論から

 

 

・フッ素を取りすぎると中毒症状(吐き気や腹痛など)、歯のフッ素症が現れます。

 

・フッ素を普通に使用している分には全く問題はありません。

 

フッ素の急性中毒量(吐き気や腹痛などを起こす量)は、

 

体重1Kg当たり2mgといわれています。

 

体重10kgの子供の場合、急性中毒量は

 

2mg×10=20mgとなります。

 

これがどういった量か考えてみましょう。

 

 

フッ素の濃度はppmという単位で表記されることがほとんどです。

 

ppmとは

100万分のいくらであるかという割合を示す単位。

主に濃度を表すために用いられます。

 

10000ppmでやっと1%

 

つまり

1000ppmは0.1%

 

なぜ1000ppmで表示しなおしたかというと、

 

歯磨き粉は薬事法で上限が1000ppmと決まっています。
大人の歯磨き粉はだいたい

各会社とも上限を超えないよう950ppm配合と口を揃えて言っています。

 

小さい子には100ppmくらいの製品からあります。

 

つまり0.01%です

 

うちの娘が使っていたピジョンさんの製品は100ppmでした。

ピジョン

「親子で乳歯ケア ジェル状歯みがき」/100ppm 40ml

(生後6ヵ月頃からメーカー推奨)

 

話がすこしそれましたが、

 

 

体重10kgの子供が

 

100ppmの製品を

 

どれだけの量を誤って飲んでしまうと急性中毒になるかというと

 

 

100ppmは0.01%

 

20mgで急性中毒の可能性があるということでした

 

1g=1000mgなので

 

20÷0.01÷100=200000mg=200g

 

 

単純計算で体重10kgの子供が100ppmの製品を

200g一気飲みすると急性中毒になるということです。

 

上記の製品が40gくらいだとしたら

(実際はmlの表記で販売されているので何gかはわかりませんでした)

5本くらい一気にのまないと急性中毒にはなりません。

 

まず5本も家にストックがある人がいないでしょう。

 

というか、一本購入したら家の娘は毎日使っても

2歳くらいまでもちました。

 

ホントに少量歯ブラシの先につけた程度で使ってました。

 

次はより虫歯予防効果が結構期待できるとされる

500ppm以上の製品

ピジョン 歯磨き

「親子で乳歯ケア ジェル状歯みがき ぷちキッズ」/500ppm 50g入
(1歳6ヵ月頃からメーカー推奨)

 

同じように計算すると体重10kgの子供で

 

20÷0.05÷100=40000mg=40g

 

上記の製品を8割がた一気に飲むと

 

急性中毒になる可能性があります。

 

これも意図的でない限りまずありえないでしょう。

 

 

最も誤って飲みやすいフッ化物洗口剤(うがいに使うやつ)に含まれる

 

フッ素の量は

 

毎日行うタイプのもので約1.6mg、

 

週1回行うタイプの濃度の濃いもので約6.3mgです。

参考までに

市販のフッ素入り歯磨き粉のフッ素濃度は

濃いタイプの洗口剤と同等です。

 

 

上記のように

 

普段歯ブラシにつけたり、うがいする程度では問題ありません。

 

さらに

 

アメリカの環境庁では、一日に摂取してよいフッ素の量を

体重1kgあたり0.06mgとしています。

 

常識的に考えて乳幼児の一回の歯磨き剤の量は

10~30mg

 

フッ素の量に換算すると

大人が使う1000ppmのものでも

0.01mg~0.03mg

 

100ppmなら

0.001mg~0.003mg

 

5kgの乳幼児で100ppm使用の場合

 

1日に100~300回歯磨きをして

 

歯磨きのたびに全部呑み込むと上限に達します。
他の食品などからの摂取を除いて単純に計算したものですが、

それでもかなりの余裕があることが伝わったでしょうか。

どんな薬もそうですが、適量では効果があり

過剰摂取では害となります。

 

 

 

次は

 

歯のフッ素症

 

水道水にもともと含まれるフッ素や、

 

歯磨き粉の飲み込みなどによるフッ化物の過剰摂取により、

 

歯に褐色の斑点や染みができる症状をいいます。

それもほとんどは歯に多少白い斑が出来る程度のもので、

 

歯や骨の形成不全を起こすような

 

重度のフッ素中毒症状が出ることはほとんど考えられません。
(そもそも、日々フッ素洗口剤を過剰摂取すること自体困難ですが・・)
フッ素の有効性・安全性はWHOをはじめ、

 

世界各国の医学専門機関が認めています。

 

このようにフッ素には副作用があります。

 

しかし、普通に使用していれば安全性に全く問題はありません。

 

外国では水道水にフッ素を意図的に入れて、

 

非常に高い虫歯予防効果を出している国もあります。

 

フッ素には副作用があること以上に、

 

虫歯の予防効果は素晴らしいものです。

 

ぜひフッ素を有効活用して下さい。

 

追記

 

もし誤ってフッ素を多量に呑み込んでしまったら、

 

牛乳を飲んでください。

 

牛乳に含まれるカルシウムと体内のフッ素が結合して

「フッ化カルシウム」という無毒の物質になることで

フッ素中毒を防ぐことができます。

 

そして病院へ、、

 

 

By 東京都府中市の歯医者 京王線府中駅徒歩5分 クルミ歯科

フッ素って歯にいいの?①ー序章ー

南国 やし

 

「フッ素って歯にいいのよ!」

 

みなさんどこかで耳にしたことがあるかもしれません。

 

 

でも何でいいの?

 

いつ、どのくらい使うの?

 

副作用は?

 

そもそもフッ素って何?

 

家で?歯医者で?

 

歯磨き粉?ジェル?スプレー?

 

などなど、、、

 

 

これもよく患者さんに質問されます。

 

というわけでフッ素について!

 

 

 

フッ素は海藻、お茶、小魚などに含まれる自然界の物質です。

 

 

フッ素の効果とは

 

 

①フッ素が歯に取り込まれ、酸に強い歯を作る

→虫歯を作る酸に負けない歯になる

 

 

②虫歯菌が酸を作るのを抑制する

→虫歯菌の働きを弱くする

 

 

③歯の再石灰化を促進する

→歯の修復力を高める

 

 

虫歯になる原因や再石灰化については

『虫歯予防についてー虫歯ができる仕組みー』 を見てください、

 

 

 

つまりフッ素は虫歯予防の

パワフルアイテムです!

 

 

 

でもほんとに安全なの?

 

毒性があるって聞いたけど、、、

 

 

これについてはまた次回。

 

 

By 東京都府中市の歯医者 京王線府中駅徒歩5分 クルミ歯科

キシリトールって歯にいいの?③ー製品選びー

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キシリトールは基本的な虫歯予防効果を

 

向上させるものでしたね。

 

そうだっけという人は

キシリトールって歯にいいの?②

 

ではキシリトールの効果が期待できる菓子とは?

 

 

ガムかタブレット(錠菓)に限られます。

 

 

これ以外のお菓子や食品、

 

例えばケーキとかジュース類にキシリトールが入っていても、

 

むし歯予防の効果は期待できません。

 

 

なぜなら、ガムやタブレット以外で

 

キシリトールが口の中に長く留まるものが無いからです。

 

 

 

またこれらのお菓子には、キシリトールができるだけ

 

高濃度(50%以上)入っている事と

 

砂糖などの発酵性の甘味料が入っていない必要があります。

 

 

 

ちなみに家の娘は100%のタブレット

をあげてました。

 

 

ですから、『シュガーレス』表示を確かめるか、

 

パッケージの成分表示を良く見て、糖類が0gで有ることと、糖質中における

 

キシリトールの割合が50%を超えている事を確認してください。

 

う蝕予防効果を十分に発揮させるためには、

 

 

 

高濃度キシリトール配合のガムかタブレットを

 

1日3回3ヵ月以上続ける必要があります

 

ただし、そこまでの効果を求めなくとも、

 

甘い味を覚えたお子さんたちに

 

砂糖入りのあめやお菓子の代用として使うことも効果的です。

 

むし歯になりやすい場合には、特に効果的と考えられます。

 

 

 

キシリトールの副作用としては

 

キシリトールに適応していない人の場合、体重1kgあたり0.5gの投与により一時的に、

 

お腹をこわすことがあるといわれています。(浸透性下痢)

 

 

適切に経口投与された場合、1日あたり少なくとも90gまで

 

自覚、他覚症状が認められていません。

 

 

また、糖尿病食としては1日70gまで摂取出来るとされています。

 

これって結構な量です。

 

あと、また怒られそうですが

 

実際には科学的根拠に基づかずに

 

歯への効果をうたっているものが多いと言えます。

 

「歯に安心」「歯にやさしい」など、、、、、

 

したがって、こうしたキャッチフレーズのみから判断すると、、、

 

ちゃんと表示を見て選びたいですね。

 

 

By 東京都府中市の歯医者 京王線府中駅徒歩5分 クルミ歯科

 

キシリトールって歯にいいの?②ー効果と使い方ー

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では、いちばん知りたい

 

キシリトールの使い方について

 

私も所属している

日本フィンランド虫歯予防研究会

の推奨方法を書いておきます。

 

口腔健康手段として最も重要なことが4つあります。

 

 

1)歯をみがくこと(ブラッシング)、

 

2)フッ素入り歯みがき剤を上手に使うこと(フッ化物の応用)、

 

3)発酵性の食品が口に中に留まる時間を短くすること(正しい食生活)

 

4)これらの手段がきちんと機能しているかチェックすること(定期的歯科健診)

 

 

これは子供でも大人でも、基本的に同じで変わることは有りません。

 

 

歯の清潔を保つための基本であるブラッシング、

 

歯を硬くしてむし歯になり難くするためのフッ化物の応用、

 

体や精神の健康を守るための基本である正しい食生活、

 

そしてその効果判定のための歯科医療者による定期健診は、

 

生涯を通じて行わなければならない大事なことと言えます。

 

 

 

それでは、キシリトールはこれらのどこに位置するのでしょうか?

 

 

 

キシリトールを使う(食べる、摂取する)ことは、

 

前述の健康な歯を守る方法に取って代わるものではありません。

 

 

ただし、キシリトールを常用する事は、

 

 

これらの手段の効果を著しく向上させます。

 

 

例えば、キシリトールはプラークを剥がし易くするため、

 

ブラッシング効果を上げます。

 

 

フッ素と一緒に使うことにより歯を硬くする効果を向上させます。

 

 

キシリトール製品を利用して、正しい食生活の教育もできます。

 

 

歯科医院ではキシリトール製品を使用したう蝕予防についての説明と

その効果判定が受けられます。

 

 

そのため、キシリトールを使ったむし歯予防法は、

 

追加型むし歯予防法

 

と呼ばれています。

 

 

 

伝わりました?

 

つまりはやることやってからの「キシリトール」ということです。

 

 

次は製品の選び方についてです。

 

 

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